巻き爪はなぜ起こるの?
巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込んだ状態になることで、多くは足に起こります。巻き爪のある部分に痛みが起こるだけでなく、姿勢や歩き方が悪くなるため、ひざや腰の痛みの原因となることもあります。
巻き爪は主に「深爪」や「足の形に合わない靴」「外反母趾」などが原因で起こります。私たちが歩く時、足の親指には体重の数倍の力がかかりますが、爪にはこの力に抵抗する役割があります。深爪をしていると、足の指に力が加わった際に、爪の先の皮膚が力を受けて盛り上がります。その結果、爪はまっすぐに伸びることができずに、厚みが増したり、両端が巻いたりしてきます。「足の爪は切りすぎないようにすること」が巻き爪を予防するポイントです。
「足の形に合わない靴を履いている場合」や「外反母趾」の場合、足のおや指が人差し指に重なってしまうことがあります。足の指が重なると、歩くときに地面からの力が親指に加わるだけでなく、人差し指によって親指が上からも押されてしまい、爪に過剰な力が加わるため、巻き爪になります。「足に合った靴を履くこと」も巻き爪を予防するポイントです。外反母趾による巻き爪の場合は、外反母趾の治療をすることが巻き爪の治療につながる場合もありますので、整形外科でご相談ください。
切らずに治せる巻き爪矯正
当院ではマチワイヤーという細い金属を用いた巻き爪矯正の治療を行なっております。
マチワイヤーはニッケル、チタン合金に特殊処理をほどこした金属です。強く曲げても戻ろうとする力が一定で、折れる事がほとんど無く、曲げた状態でも数カ月にわたり強い矯正力を発揮します。
変形した巻き爪にマチワイヤーを取り付けることで、少しずつ矯正する力を加えて形を整えていく、歯の矯正のような方法です。メスを使うことなく痛みを取り除き、変形の治療をしていくことができます。
実際の治療の流れ
整形外科の谷川外来を受診してください。
爪を皮膚よりも2ミリ程度長くなるまで伸ばします。
爪に穴を開けて、マチワイヤーを通し、ワイヤーがずれないようにボンドで固定します。
爪の成長とともに少しずつ巻き爪が強制されてゆきます。2−3ヶ月して爪が伸びすぎて生活に不便を感じたら、新しいマチワイヤーを再度装着します。
半年ほどで爪が矯正されたら治療終了となります。
ワイヤーの矯正をやめてしばらくすると爪が元の形に戻ってくることがあります。その場合は再度マチワイヤーを装着します。
マチワイヤー法の利点と欠点
良いところ:マチワイヤーの装着は10分ほどで、痛みなく行うことができます。処置したその日から日常生活に支障なく過ごせます。運動や入浴も問題なく行なっていただけます。
悪いところ:爪が短いとワイヤーを通すことができませんので、爪が伸びるまで待つ必要があります。爪が硬すぎて矯正ができなかったり、まれにワイヤーの力で爪が割れてしまうことがあります。
費用について
マチワイヤー法による巻き爪治療は健康保険を使うことができませんので、自費診療となります。
診察+マチワイヤー取り付け:11,000円(税込)
診察のみの場合:1,650円(税込)
Comments