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五十肩(肩関節周囲炎)の原因と治療

更新日:2020年11月8日

肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称を肩関節周囲炎といいます。肩関節周囲炎は「五十肩・四十肩」と呼ばれることもあり、中年以降、特に50歳代を中心に起こりやすい病気です。ここでは、五十肩について簡単にお話しいたします。





五十肩の原因は?


年齢を重ねることで、肩の関節を作っている骨や軟骨、靭帯や腱などに炎症・変性が起きることが主な原因だといわれていますが、詳しい原因はわかっていません。炎症が治まるのに合わせて自然と痛みも軽くなりますが、炎症によって肩の関節とその周辺がくっついてしまうと関節の動きが悪くなることがあります。


五十肩の症状は?


五十肩の主な症状は「痛み」と「動きの悪さ」です。特にきっかけはなく、日常生活においてシャツを着たり、棚の上のものを取ろうとしたりするときに肩が痛むようになります。


日常生活において、以下のような症状があった場合に、肩関節周囲炎が疑われます。

・肩の動きが悪く、手が上がらない ・夜寝ていると痛みで起きてしまう ・髪を洗いにくい ・洗濯物を干しづらい ・ズボンのベルトが通せない ・背中のファスナーやボタンに手が届かない


五十肩の診断はどうするの?

五十肩(肩関節周囲炎)は痛みの出ている場所や肩の動きなどをみて診断します。肩関節に痛みが生じる原因として、腱板断裂、上腕二頭筋腱炎、石灰沈着性腱板炎、頚椎の病気、内臓の病気など様々なものが考えられるため、レントゲン撮影、MRI、超音波検査などで判別をしてゆきます。

五十肩の治療方法は?

肩関節周囲炎には、炎症期・拘縮期・回復期の3つの状態があり、その状態に合わせた治療を行なってゆきます。

炎症期


肩の痛みがとても強い時期です。安静時痛(じっとしていても痛い)や夜間痛(就寝時の痛み)も起こります。この時期の治療のポイントは「安静」です。肩を無理に揉んだりストレッチすると、痛みが悪化することがあるため注意が必要です。


痛み止めとして消炎鎮痛薬を内服したり、湿布を貼ったり、炎症を抑える作用のあるステロイド剤やヒアルロン酸を関節に注射する治療を行います。また、寝るときに肩が背中のほうに下がると痛む場合は、バスタオルや枕を肩の下に入れると、肩の痛みが和らぎます。

拘縮期


関節が固まって動きづらくなる時期です。炎症期に肩を動かせなかった分、関節が動かし難くなります。この時期になると痛みの部位がはっきりとし、夜間痛も落ち着いてきます。


拘縮期には、固まった肩関節の動きを少しずつほぐすリハビリを行ってゆきます。しかし、自分の力で無理やり動かすと、痛みが悪化することがあるため、力を抜いて動く範囲を広げてゆくリハビリを行います。日常生活で無理をせず「痛みが出ない範囲」で動かしていきましょう。

回復期

回復期は、肩関節を積極的に動かし、動く範囲を広げてゆく時期になります。痛みの部位はより限局的になり、夜間痛はほとんどなくなります。


この時期には自分の筋肉で肩を動かすリハビリを取り入れてゆきます。日常生活に支障が出ないように、肩関節の動く範囲を拡大し、筋力トレーニングを行ってゆきます。

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